夏といえば花火。
夜空を彩るさまざまな色の花火。
この花火の色は、科学的には、炎色反応(えんしょくはんのう)によるものなのです
ここでは、この炎色反応について、解説していきます。



はじめに、
炎色反応について、少し説明します。

炎色反応は、下の図のように、
物質を炎の中で加熱すると、物質それぞれに違う色の発光が生じる」現象です。













そして発光の色は、
ストロンチウムは赤、ナトリウムは黄色、カリウムは赤紫、
カルシウムはオレンジ、バリウムは黄緑、銅は青緑、となっています。


「なんで炎に入れると光るの?」
「物質によって光の色が違うのはなんで?」
と思いませんか?

ということで、このことについて、ちょっと考えてみましょう。



炎色反応には、原子の中にある
電子というものが大きく関わっています。
簡単に言うと、この
電子が光っていると言ってもいいくらいです。

ところで、電子って何だっけ?

この
世の中のものをどんどん細かくしていくと、原子というものになります。
その
原子をさらに拡大してみると、原子核というものが中心にあって、
その周りを
電子というものがすごいスピードで回っているのです。
電子は普通、一番落ち着く(安定した)軌道(電子が通る道)を通って回っています
空気って何?参照)

イメージしやすいように、水素原子を拡大した図を描いてみました。










水素原子には、電子は1個なので、上のような図になります。
この電子の数、水素は1個なのですが、ヘリウムは2個、炭素は6個、
窒素は7個、酸素は8個、鉄は26個、銅は29個、など物質によって違います。

これら電子は、みんな同じように原子核の周りを回っているわけではなく、
それぞれ決まった軌道(電子が通る道)を回っています。

ちょっと難しいので、ここでは、
電子というものは、原子核の周りを安定した軌道を通って回っている、
と理解していただければ大丈夫です。



本題に戻って、
炎色反応が起こるメカニズムを説明していきます。
炎色反応が起こるときの電子の動きを、下の図に示してみました。
まずは、こちらをご覧ください。














物質が炎にかざされると、物質は炎から熱によるエネルギーをもらいます。
電子は、炎からもらったエネルギーによって、
図のように、高い軌道(外の軌道)に移動します。


でもこのように、
無理矢理高くあげられた電子は不安定で、
電子は
「元の軌道に戻りたい!」と思っているんです。

電子が元の軌道に戻るにはどうすれば良いか?というと、
炎からもらったエネルギーを外に放出すれば良いのです。

必要以上のエネルギーをもらったのだから、
そのエネルギーを捨ててしまえば、元に戻れるのです。

こうして、電子は炎からもらったエネルギーを放出して、元の軌道に戻ろうとします。
そして、このときに放出されるエネルギーが、光になるのです。
※エネルギーは、外に放出される場合、熱か光になって出ていきます。

このような現象が原子内部で起こり、炎色反応による発光が生じているのです。



と説明されても、ちょっと難しい話で、

こんなのついていけない、
という方もいますよね。

下に、電子くんの動きを簡単に描いてみました。
イメージとしてはこんな感じです。


















@安定していた電子くんは、
  突然炎のエネルギーをもらって、高い所に飛ばされてしまいます。

Aでも高いところは、電子くんにとっては不安定で怖いところです。

B安定したい電子くんは、思い切って下に飛び降りることにしました。


Cでも、電子くんの体の中には、さっき炎からもらったエネルギーが充満していて、
  この状態では下に戻れません。このエネルギーが余分なのです。

D余分なエネルギーは捨てればいい!ということで、
  電子くんはエネルギーを光として捨て、下に飛び降り
ました。


Eこうして、エネルギーを捨てて下に戻った電子くんは、再び安定できるのです。

炎のエネルギーをもらった電子くんが高く上げられる軌道は、物質によって違います。
軌道が違うということは、エネルギーが違うということなんです。
これは、物質によって炎色反応が起こるときに放出される、
光のエネルギーが違う
ということになるのです。
光のエネルギーが違うということは、放出される光の波長が違うということで、
光の波長が違うということは、私たちに見える光の色が違うということになります。
(→色って何?参照)




いかがでしたか?
ちょっと難しかったかもしれませんが、
なんとなくイメージをつかんでいただけたら嬉しいです。


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