「色ってなに?」と思ったことはありませんか?
赤、青、黄色、緑、金、銀、茶色、黒。
それだけでなく、まだまだたくさん、数え切れないほどの色が私たちの周りにはあります。
「なんでこんなにたくさんの色があるんだろう?」と思いませんか?
ここでは、この「色」について解説していきます。

上の写真を見て、「青くてきれいな海」と感じる方もいると思います。
海を「青い」と感じるには、この写真から出ている「光」を目で感じ、
脳で「青い」と感じて初めて、「青い」ということを認識するのです。
「光」ってなに?というと、
電磁波というものの一種で、物理の世界では、
「粒でもあるし、波でもある」ということになっています。
これは「光は粒の性質と波の性質の両方を合わせ持つ」ということなんです。

「色」は、光の「波」としての性質からくる現象の一つなんです。
「波」というものを簡単に図で描いてみると、上の図のようになります。
「色」が違って見えるのには、図の「波長 λ(ラムダ)」というものが関係しています。
波長は、「波の長さ」のことです。
光の場合、この波の長さによって、その光の持つエネルギーが違ってきます。
光の持つエネルギーが違うから、「光の色」が違う、ということになります。
ちょっと難しくなってしまったので、整理して一言で言ってしまえば、
「色が違う=光の波長が違う」ということです。
これさえ理解していれば、バッチリです。
今度は、「どんな波長でどんな色が見えるのか?」について考えてみましょう。
下の図の左側に、光の波長、光の種類、
右側に、可視光(私たちが見ることができる光)の波長を拡大して、
その色を示してみました。

この図の波長の単位に「μm(マイクロメートル)」というものが使ってあります。
これは、1μm=10-3mm=10-6mということで、
1ミリの1/1000の大きさのことなんですが、
小さすぎてわかりにくいですね。
とにかく、とてもとても小さいんだと思っていただければ大丈夫です。
実は、目に見えている光というものは、たくさんある光の中のうち、
本当にわずかでしかありません。
この他の光は、私たちには全く見えていないのです。
さて、話をもとに戻します。
可視光は図のように、波長が長くなるにしたがって、
紫→青→緑→黄→オレンジ→赤と徐々に変化していきます。
たとえば、0.48μm位の波長の光が目に入ってくると、
私たちは、それを「青い光」だと認識します。
ちょっと余談ですが、
夏のお肌の大敵である「紫外線」は、「紫の外の波長」という意味で、
冬によく聞く「赤外線」は、「赤の外の波長」という意味なのです。
ここまで来たら、あと一息です!
今度は、物の色について考えてみましょう。
実際に見える色には、大きく分けて二種類の見え方があります。
@自分で光って見える色
A光を反射して見える色

@自分で光って見える色
自分で光るものの例をあげてみると、
太陽、星、蛍光灯、テレビ、パソコンのモニターなどがあります。
あと、炎や蛍なんかも、自分で光って色が見えるものです。
こういったものの色が見えるのは、そのものが、
私たちが見える色の波長の光を出しているからなのです。
つまり、テレビが青い画面だったらそれは、0.48nmくらいの波長の光が出ていて、
赤い画面だったら、0.7nmくらいの波長の光が出ているという事になります。
「じゃあ、太陽や蛍光灯の色は?透明なんだけど?」
これはなぜだと思いますか?答えは、
太陽や蛍光灯の光には、いろいろな波長の光が混ざっていて、
光は、全ての波長を混ぜると「透明」になってしまうので、私たちの目には見えない。
ということなのです。
A光を反射して見える色
@のように、自分で光って見える色もあるのですが、
自分で光って見えるものは本当に少なくて、
ほとんどのものの色は、太陽の光や蛍光灯の光を反射して、
その反射された光を私たちが見て、それをそのものの色として認識しているんです。
なかなかイメージできないと思うので、下の図をご覧ください。
この図のような、「赤いTシャツ」があるときを考えてみましょう。

まず、太陽の光がTシャツにあたります。
図では透明だと見えないので、黄色く示してあります。
光は、Tシャツによって、ある特定の波長の光は反射されますが、
他の波長の光はTシャツに吸収されてしまいます。
簡単に説明すると、
「このTシャツは赤い光だけを反射させて、他の色の光を吸収してしまう」
だから、反射された光を私たちが見ると、「赤いTシャツだ」と感じるのです。

これは全てのもので同じことがいえます。
緑の葉っぱは緑の光を反射し、青い海は青い光を反射し、
赤いリンゴは赤い光を反射しています。
机の色、椅子の色、床の色、天井の色などなど、
身の回りにあって自分で光っていないものはすべて、
そのものが反射した光を、私たちが見ています。
ものが色を持っているのではなく、
そのものがある色を強く反射し、その色が見えているのです。
ここで、また余談なんですが、
「光を吸収するって、そんな事あるの?」と思いませんか?
でも、ちょっと考えてみてください。
夏の暑い日、黒いTシャツや黒い車など、黒いものって、熱くなってないですか?
これこそが、黒いTシャツが光を吸収している証拠なんです。
光は吸収されると、そのエネルギーは熱に変わるのです。
長くなってしまいましたが、このように、私たちは色を感じとっています。
普段何気なくいろいろな色を感じとっていますが、
その仕組みを知ることで、いろいろな驚きや発見があったと思います。
これをきっかけに、色や光というものの不思議を感じ、
興味を持っていただけたら嬉しいです。
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