抜けるような青い空!透けるような青い海!
どちらも清々しい気分にしてくれます。
でも、両方とも、なぜ青いんだろう?と思ったことはありませんか?
ここでは、海と空の青について考えてみたいと思います。

まずは、海がなぜ青く見えるのか考えてみましょう。
「色ってなに?」のページでも少し触れましたが、
海(水)は青い波長の光を反射しやすいため、青く見えるのです。

光が海に入ると、光の一部は海に吸収され、一部は反射されます。
光が吸収されたり、反射されたりする量は、ものによって違います。
水は、青や緑の光を吸収せずに、反射します。
このため、海は青く見えるのです。
海の状態や水質によっても、反射される光の色が違ってきます。
水分に含まれる不純物などが多ければ、より青や緑の光を反射し、
不純物などが少なければ、反射される光も薄い色(水色)などに変化してきます。
だから、きれいな水ほど透明度があり、より鮮やかな色で見えるのです。

続いて、空はなぜ青く見えるのか考えてみましょう。
空が青く見えるのは、海が青い光を反射しているのとはちょっと違って、
太陽の光が空気中の分子やほこり、水滴などにぶつかって、
色々な方向に跳ね返ることが原因なのです。
これを、光の散乱現象と言います。
光の散乱現象は、
光や粒子が多数の小さな粒子に当たって、方向が不規則に変わり、散らされる現象です。
簡単に言うと、
真っすぐに走って来た光が、粒子などに当たって方向が変えられてしまい、
光の進路が邪魔されてしまう、ということなんです。(下の図)

この散乱の度合いは、波長の短い光(紫や青の光)ほど大きい、という特徴があります。
上の図のように、赤やオレンジの光は波長が長いため、
分子などの粒子に当たる確率が低くなり、そのまま素通りしやすくなります。
しかし、波長の短い光(紫や青の光)は波長が短いため、
分子に当たる確率が高くなります。
分子に当たった光は、散乱されて進む方向が不規則に変えられてしまいます。
この散乱されて進む方向が変わってしまった光は、
次々と分子などの粒子に当たって方向を変えられていきます。
赤などの波長の長い光は、あまり散乱されないため地上に早く到達しますが、
散乱されやすい青や紫の波長の短い光は何度も散乱されて、
進む方向が次々と変化してしまい、地上に到達するのが赤い光より遅れることになります。
その結果、青や紫色の光が空全体に散り散りバラバラとなり、
空に青や紫色の光が貯まっていくことになるのです。
つまり、空は青や紫色の光が満ちあふれた状態となっていくのです。
ただし、散乱されるたびに光はだんだん弱まって行くので、
ずっと同じ光が空に留まっていることは無いので注意してください。
さらに、紫色の光は、私たち人間には非常に見にくい(感じにくい)色なのです。
そのため、紫色の光は空にあっても、
私たち人間にはほとんど見えていないため、空の色は青に見えるのです。
よく考えるととても面白い現象ですね。
もし、緑色の光が強く散乱させられていたとしたら、空はきっと緑色でした。
もし、人間が紫の光も良く見えていたら、空は紫色に見えていたかもしれません。
いつも空が緑や紫だったら、ちょっと嫌ですね。
あらためて、空は青で良かったなと思います。
このような現象によって、海と空は青く見えているのです。
どちらも、太陽の光によって生じる美しい現象なのです。
それを考えると、太陽はやっぱり私たちの生活には欠かせないものなんだと感じます。
太陽に感謝ですね。
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